パソコンを初めて買ったのは95年の5月で地元の家電店で“NECのPC9821Cx”(Canbeという名称)を買った。
今はなき98シリーズである。家に着くとすぐダンボールを開け、マニュアルを見ながら丁寧に接続をしていった。
接続が完了するといよいよ起動だ。電源ボタンを押すとNEC独自の起動音が流れ、画面にはハチのようなキャラクターが出てきた。
そこまでは良かったが、マニュアルどおりに起動しない。マニュアルを見ると本来ならWindows3.1が起動し、
初めてのユーザーのためのデモが始まるはずなのに、背景が黒にメニューが出るだけ。
これはハードディスクの初期化やインストールに使うためのメニューだったのだ。
おそらく製造過程の途中で手違いがあったらしくWindowsやその他のプレインストールなどが入ってなかったのだ。
そのころの自分はパソコンの知識が全く無かったので「初期化」だのインストールだのと言われても全くの意味が不明で、
ただひたすら接続が間違えてないか確認したり、マニュアルを見たりしていた。マニュアルは沢山あってどれを見てよいか分からず、
Windows、MS−DOS、その他色々のマニュアルをみた。付属システムインストールのCD−ROM(リカバリィディスク)
を使用すれば治るのだが、パソコンを初めて買った自分は全くそんな知識は無く、とりあえずいじくっているうちに初期化をしてしまい、
パソコンを起動してもDOSさえ起動しなくなった。多分BOOT不可にしたのかな?でも、
その後システムインストール用のフロッピーを入れてパソコンを起動すると動作する事に気が付き、
またいじくっているとハードディスクが起動するようになった。その日の午前中はずっとパソコンをいじくっていた。
それでも解決しないので仕方なくパソコンに詳しい人に電話をし、聞いてみるとまず、
MS−DOS画面でdirのコマンドを実行するように言われた。dirと打ち、リターンを押すと今度は画面の内容を言ってくれと言う。
画面の内容を言うとこんなにこれはおかしい、中身が消えていると言われたので、今度はパソコンを買った店に電話してみた。
店の人に全てを説明すると「おめでとうございます。それは1000台に1台あるぐらいの手違いです。」と言われた。
店員もこのお客さんはパソコン初心者であろうと思ってくれたのかハードディスクを交換してあげるから店まで持ってきてくれと
言ってくれた。これで一安心と思い、車で店までハードディスクを交換しに行った。再び家に帰り接続した。
今度はうまく起動したのだった。
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